祖父とMac

Macのキーボード

やってしまった。

大事なMacにコーヒーを思い切りこぼしてしまった。普段からコーヒー含め飲んでいたのだけれど、その日に限ってドバッといってしまった。

 

このMacは10年を越える相棒で亡くなった祖父にプレゼントしてもらったもの。

 

少しパソコンをかじっていたので裏蓋を開けたり、キーを外してみたり試したけれど、水分の痕跡が至る所にあり一部のキーが全く反応しなくなったり、その日の夜には全く電源が入らなくなってしまった。Macも動かず、自分自身も完全に意気消沈である。

 

その次の日から仕事から帰るとMacの電源ボタンを押すようになっていた。もちろんつくわけがなく、でも一縷の望みにかけておまじないみたいに押し続けた。ただもうダメなのかもなと思い購入する方向で考え始め調べてみると、今自分が使っているMacと同等のものを買おうとすると約30万円くらいする。思い返してみると、それだけ祖父が良いものを買ってくれたんだとあらためて感謝の念が湧いた。

 

そしてさらに時間が経ち押すのをやめてしまっていたある夜。ふとまたパソコンを開いて電源ボタンを押してみた。

 

「ジャーーーーン」

 

Appleの起動音が鳴り、立ち上がった。

少し固まってしまったあとに嬉しさがこみあげてくる。ログイン画面まで到達し、いざ起動後の画面へとなる予定だったのだが、喜んでいるのも束の間、「パスワードが違います」と出てくる。ここから新しい戦いが始まった。

 

僕は基本的にパスワードは大体10文字以上。さらに英数字、記号を混ぜていて、アルファベットも大文字小文字を組み合わせかなり複雑にしている。紙に記載しつつ指でも覚えてしまいいつも入力している。が、パスワードは確実にあっているのにも関わらず入れない。少し考えて思い出したのが”キーボードが浸水している”こと。

 

電源は入ったがキーが復旧していないことに気づいた。「8、I、K、,」の列を含めた右側が使えなくなっていた。であれば、ということで家にあった余っているキーボードを調達し打ち込もうとしてみたが、なぜか打てない。ここで自分の見栄っ張りなところが邪魔をした。

 

僕のMacのキーボードは日本語キーボードではなく「英字キーボード」。配列が違い日本語配列のキーボードで入力しても効かないのである。なんやかんや格闘し復旧用OSというもので起動させることができ、そこだと日本語配列のキーボードが認識したのでパスワードをまだ使用できるキーボードの中で入れ替え今に至る。

 

正直水分が浸入したPCは使うべきではないが、頑張って働いてお金を貯めるまでの間、もう少し一緒に過ごしてもらおうと思う。

 

はー本当に、焦った。それでは今日はこの辺で。

おじいちゃんMac改めてありがとう。